ゲームコンセプト
こちらのページでは、信玄上洛のコンセプト、制作過程の状況などをまとめています。
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以下は製品発表時(2011年10月7日)のコンセプト案内です。
(Si-phonNewS No.001より転載)
この冬、サイフォンよりソロプレイ専用ソリティアゲームが発売される。
その製品の開発コンセプトを語ってみよう。デジタルとアナログ、双方にシミュレーションゲームは存在する。だが、その多くは作りが異なる。
デジタルとアナログの違い
デジタルは、相手が見えない事が殆どである。これは多くの場合、対戦相手をコンピュータが務めてくれるからだ。よって相手は見えず、殲滅・掃討する事への抵抗はない。またその行為を爽快感へ摩り替える事も容易となる。
対してアナログでは、目の前の相手と対戦する事が前提となる。その相手ユニットを全滅するまで終わらないルールでは、勝敗が見えた後がだらけるし、マルチプレイのゲームだと、脱落したユーザーから白けてしまう。よって、終わり方のルールが必要となる。
そこでプレイの山は、終わり方ではなく、その直前、激突するまでの作戦・生産工程を練る過程が楽しくあるべきで、決戦を行なう事はその総括に過ぎない。
本来、シミュレーションゲームの面白さはここにあった。しかしデジタルの場合、時代と共にこれを見失い、数値や面積を成長させる事へ集約されていった。
アナログのソロプレイとは
ここで、双方の共通項というべきプレイスタイルがある。アナログゲームにおけるソロプレイスタイルだ。敵味方、双方を一人で担当し、敵は見えない。
この為、デジタル的な勝利条件でも、前記のダルさが出難い。勝っている側のモチベーションでプレイできるからだ。また「待った」も容易である。
これらの事例から、ある程度複雑なシークエンスであっても、その表現が「リアル」だと感じる限り、本人の負担であるとは感じず、むしろプレイへのモチベーションへ置き換わる。
更に、ユニットのレートや表現方法によっては、感情移入も行なわれ易くなる。
ソリティアゲームの可能性
海外のタイトルでは、ソリティアゲームをよく目にするが、それが流行っているのかは分らない。
Vassalなどの対戦ツールがあるとは言え、なんだかんだで、対戦できずにいる方も未だ多い事だろう。むしろ、ソロプレイで満足できている方も多いのではないだろうか。
本を読むのと同様、誰にも邪魔されず、一人で集中できる環境でその世界へ入り込む事は、趣味という世界において、別に変な行為ではない。だが、同じシミュレーションゲームをプレイする行為としては、対戦する感覚とは、明らかに異なるものだろう。
だったら、そんなソロプレイ専用のゲームを作ってみようという事になった。デジタルとアナログの共通項も多く、アナログで作っても、デジタルへ移行し易い可能性を持っているからだ。
信玄上洛のコンセプト
デジタルとアナログを繋ぎ、再びデジタルへ回帰できる可能性をもつコンテンツ。
ソリティアゲーム信玄上洛は、こうした思惑で商品化される事となる。
スタートは昨年暮れだった。当初はB5サイズのミニゲームから始まった。だが、次第に大きくなっていく事は、よくある話しだ。
対戦ができなくもないが、ソロプレイである事が前提なので、片方はオブザーバー的な存在となるだろう。
またユーザー側で、シナリオの作成も行ない易くしている。ユーザーが弄れる部分を大きくする事で、その世界への間口としたいからだ。
こうしたデジタルでは行なえなかった部分に関して、今回は積極的に取り組んでいる。
歴史の可能性と、それに対するユーザー自身の切り口を再現しやすい環境を提供する事。これが今回の製品コンセプトである。
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